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Guide — 納まりと施工の実務

カーテンウォールとは|
RC造・鉄骨造・木造の納まりと施工の流れ

最終更新:2026-09-04(全面リライト) 監修・著者:株式会社トータルファサード

カーテンウォールとは、建物の重さを支えない外壁の工法です。この記事では定義に加えて、RC造・鉄骨造・木造で納まりの考え方がどう変わるか、図面を描く前に確認したいこと、施工の流れまでまとめています。

カーテンウォールとは|30秒で分かる結論

カーテンウォールとは、建物の重さ(荷重)を支えない外壁のことです。専門的には非耐力壁と呼ばれます。建物の重さは柱や梁などの構造体(骨組み)が支え、外壁はその骨組みにカーテンのように吊り下げる/取り付けるだけ。この成り立ちが、そのまま curtain wall という名前の由来になっています(出典:日本サッシ協会(JSMA)用語解説)

壁が荷重から解放されると、壁を軽く・薄く・大きく開けることができます。高層ビルがあれほど広いガラス面をまとえるのも、この仕組みがあるからです。

作り方には大きくユニット工法(工場で枠とガラスを1ユニットに組み立て、現場でクレーンで吊り上げる。超高層の主流)とノックダウン工法(部材を現場で組み立てる)があります(工法区分は、日本サッシ協会/YKK AP の公開資料に基づきます)

ファサードとの違い

ファサードは建物の「顔(外観)」を指す概念、カーテンウォールはその外壁を「重さを支えずに作る」工法です。前者は「どう見えるか」、後者は「どう作るか」を指すので、比べる軸がそもそも違います。ガラスの「顔」の多くは、カーテンウォールという「作り方」で実現されている——この関係だけ押さえれば十分です。

FACADE = 建物の顔どう見えるか(意匠・デザイン)CURTAIN WALL = 作り方どう作るか(構造・仕組み)骨組みに掛けるだけ(非耐力壁)ガラスの”顔”をこの”作り方”で実現する

図|ガラスファサード(見た目)を、カーテンウォール(作り方)で実現する関係

「納まり」とは何を指すのか

図面を描く方が知りたいのは、ここから先だと思います。「納まり」とは、ガラスと躯体(構造体)の取り合いを、どう成立させるかを指す言葉です。ガラス面がどこまで入り込み、どこで固定され、どこにクリアランス(隙間)を取るか——これを構造体ごとに検討していきます。

最初に、正直な線引きをお伝えします。当社が担うのはガラスの選定・輸入・検品・搬入・揚重・据付です。方立(ガラスとガラスの間の縦部材)やスパンドレル(上下階の窓の間にあたる、梁や床スラブを覆う部分)といった躯体側の意匠・構造設計は、設計事務所やサッシメーカーの領域になります。この記事も、その前提でお読みください。

RC造・鉄骨造・木造で、納まりの考え方はどう変わるか

同じカーテンウォールでも、支える側の構造体がRC造か、鉄骨造か、木造かによって、ガラス面に求められる納まりの考え方は変わります。

RC造の場合

RC造(鉄筋コンクリート造)は剛性が高く、変形量は比較的小さい構造です。一方で、コンクリートの乾燥収縮や躯体そのものの施工精度のばらつきがあるため、躯体とガラスの間に、動きを吸収できるだけの余裕(クリアランス)を見込むという発想が基本になります。ガラスを躯体に抱かせるように納める「抱き納まり」が代表的な考え方です。

具体的な目地幅・クリアランス寸法は、開口の大きさ・階数・仕上げ方法によって案件ごとに変わるため、本記事では断定しません。図面段階で個別に検討する部分だとご理解ください。

鉄骨造の場合

鉄骨造はRC造に比べて変形しやすく、地震や強風時に上下の階がわずかにずれる「層間変位」が生じます。ガラス面と固定金物がこの動きにどう追従するかは、設計上考慮される視点のひとつです。

※誤解のないようお伝えしますが、この記事は特定の耐震性能・耐風圧性能を訴求するものではありません。層間変位への追従は、構造設計・ガラス構成とあわせて案件ごとに個別に検討すべき論点です。

木造の場合

木造、とくに大規模木造へのカーテンウォール適用は、RC造・鉄骨造に比べてまだ事例が少ない領域です。木材特有の含水率変化による伸縮など、RC造・鉄骨造とは異なる検討観点も出てきます。当社としても実績を主張できる段階ではないため、木造をご検討の場合は、早めに個別にご相談いただくことをおすすめします。

大板ガラス特有の、納まり上の制約

ここからは、当社が扱う大板ガラスならではの制約です。

まず、大きさには上限があります。当社の最大製作寸法は、高透過×Low-E×複層ガラスで3.3m×10m、Low-Eを外した高透過複層ガラスで3.3m×13mです(自社確認・2026年8月時点)

重さの目安は、次の式で概算できます。

重量(kg)= 面積(㎡)× 厚さ(mm)× 2.5

ガラスの比重がおよそ2.5であることに基づく目安です。たとえば3m×6m×厚さ12mmなら、18㎡ × 12 × 2.5 = 約540kg

※この540kgは素板(ガラス単体)の概算です。実際の建材は、複層ガラス(2〜3枚+スペーサー)や合わせガラス(中間膜を挟む)に金物が組み合わさるため、構成全体では実重量はさらに増えます。揚重計画の検討にあたっては、構成を確定したうえで個別に算出してください。

当社が手がけた渋谷スクランブルスクエアでは、ガラスを調達から施工まで99%自社で担当し、1枚1トンを超える大板も扱っています。板が大きく重くなるほど、目地やクリアランスは小さい板よりも余裕を見ておくという考え方が基本になります。

図面を描く前に確認しておきたいこと

納まりの検討を始める前に、次の4点を整理しておくと、その後のやり取りがスムーズになります。

  • 開口サイズ(幅・高さ、分割の有無)
  • 平面図・立面図(手描き・検討中のものでも構いません)
  • 現場所在地・搬入条件(前面道路の幅、揚重スペースの有無など)
  • 性能の優先順位(採光・断熱・意匠のどれを優先するか)

すべてが確定していなくても大丈夫です。分かる範囲から送っていただければ検討できます。

施工の流れ|選定から据付まで

納まりの考え方が分かったら、次に気になるのは「実際どう建てるか」だと思います。当社の場合、大きく次の流れで進みます。

選定 → 輸入 → 検品 → 搬入 → 揚重 → 据付

工程ごとの所要期間は、案件の規模・搬入条件によって大きく変わるため、ここでは流れの全体像のみをお伝えします。詳しい進め方は個別にご相談ください。

搬入・揚重の考え方は記事07で、高所・超高層での施工の実際は記事02で詳しく解説しています。

図面について|何を送れば、何が返ってくるか

「参考図がもらえるなら送ってほしい」——そう思われた方もいるかもしれません。正直にお伝えすると、現時点で汎用的な参考図としてお渡しできるものはご用意していません。納まりは案件ごとのオーダーメイドで決まるものであり、汎用図を先にお見せすることが、かえって案件に合わない情報をお渡しすることになりかねないためです。

その代わり、当社ができることは次の2つです。

  • 今すぐ知りたい方へ:LINEにご登録いただくと、大板ガラスの技術データ(最大製作寸法・対応工法・法規・搬入条件・実績体制をまとめた資料)をご確認いただけます。
  • 案件が具体的な方へ:図面(またはスケッチ)を送っていただければ、その案件に合わせて板厚を検討し、概算のご提示までを最短1営業日でお返しします

会社選びの基準そのものに迷っている場合は、下記の記事もあわせてご覧ください。

よくある質問(FAQ)

カーテンウォールとは何ですか?

建物の重さ(荷重)を支えない外壁の工法です。柱・梁などの構造体が建物を支え、外壁はカーテンのように骨組みへ取り付けられるだけの「非耐力壁」を指します。なぜ”カーテン”と呼ぶかというと、この「構造から吊り下げられた壁」という成り立ちがそのまま名前になったためです(出典:日本サッシ協会)

ガラスファサードとカーテンウォールは同じ意味ですか?

厳密には違います。ファサードは建物の「顔(外観)」を指す概念、カーテンウォールはその外壁を「重さを支えずに作る」工法です。ガラスファサードがカーテンウォール工法で作られることが多いため、混同されやすいだけです。

RC造でカーテンウォールを計画する際、まず何を確認すればよいですか?

開口サイズ・平面図と立面図・現場所在地と搬入条件・性能の優先順位(採光・断熱・意匠のどれを優先するか)の4点です。RC造は躯体とガラスのクリアランスの考え方を、早い段階ですり合わせておくと後戻りが少なくなります。

鉄骨造・木造の場合、何が変わりますか?

鉄骨造では、地震や強風で建物がわずかに変形する「層間変位」に、ガラス面と固定金物がどう追従するかが、設計上考慮される視点になります。木造は事例がまだ少ない領域のため、案件ごとに個別の検討が必要です。

まだ図面が完成していない段階でも相談できますか?

はい。手描きのスケッチや、検討中の開口寸法のメモだけでも構いません。RC造・鉄骨造・木造、どの段階でもご相談いただけます。

板厚の検討や概算に費用はかかりますか?

板厚の検討と概算のご提示までは無料です。ご契約後に、詳細設計・製作へ進みます。

納まりの参考図はもらえますか?

現時点で、汎用的な参考図としてお渡しできるものはご用意していません。納まりは案件ごとのオーダーメイドで決まるためです。図面またはスケッチを送っていただければ、その案件の納まりを個別に検討し、板厚と概算をあわせてお返しします。

まとめ

  • カーテンウォール=建物の重さを支えない外壁の工法。ファサード(建物の顔)とは比べる軸が違う言葉。
  • RC造・鉄骨造・木造で、納まりの考え方は変わる。RC造はクリアランスの余裕、鉄骨造は層間変位への追従、木造はまだ事例が少ない領域。
  • 大板ガラスには最大製作寸法があり(3.3m×10m/3.3m×13m)、重量は「面積×厚さ×2.5」で概算できる(素板の目安)。
  • 図面が完成していなくても相談できる。送っていただければ、その案件に合わせて板厚を検討し、概算のご提示までを最短1営業日でお返しします。

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